イスラームの東・中華の西 七~八世紀の中央アジアを巡って
京大人文研東方学叢書 13
稲葉穣著
四六判・上製・紙カバー装・帯付 総270頁
税込3,520円(本体3,200円+税)
ISBN978-4-653-04523-6【2022年3月刊】
玄奘の出立から慧超の旅を経て、悟空の帰京まで――
その勢力を西へ拡大した唐と、東へ伸長したアラブ・ムスリム。最新の考古学、貨幣学、言語学史料の研究成果を手がかりに、7-8世紀中央アジアにおける東西ユーラシアの衝突・交流・融合の歴史を描き出す。舞台はパミールの西、境界を越えて旅した者達の足跡を追う!
<目次>
プロローグ―玄奘の出立―
第一部 七世紀中葉
第一章 六六一年 西域十六都督府
一 アフガニスタンという場所
二 西方に関する漢籍情報
三 唐の西域支配体制の再編
第二章 六六六年 東部アフガニスタンのハラジュの王国
一 「イランのフン」の活動
二 突厥勢力の登場
三 ハラジュ族
四 カーブル王フロム・ケサル
五 その後のハラジュ族
インターミッション―慧超の旅―
一 パミール以東突厥のその後
二 パミール以西アラブ・ムスリムの中央アジア征服
三 慧超『往五天竺国伝』
第二部 八世紀中葉
第三章 七五一年 タラス河畔の戦いと悟空の旅
一 アッバース革命
二 唐と吐蕃
三 タラス河畔の戦い
四 悟空の旅
第四章 七五七年 安史の乱時に入唐した大食
一 安史の乱
二 アッバース朝東方領域
三 アッバース革命の後
四 難民と傭兵
エピローグ―悟空の帰還―
もう少し学びたい人のために―参考文献解題
あとがき / 図版出典一覧 / 索引
●著者
稲葉 穣(いなば みのる) 京都大学人文科学研究所教授、同研究所長。専攻は中央アジア史・東西交渉史。主な著作にCoins. Art and Chronology II: The First Millennium CE in the Indo-Iranian Borderlands(共編著、オーストリア科学アカデミー、2013)、『統治の書』(共訳、岩波書店、2015)などがある。
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