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梵網経の教え 今こそ活かす梵網戒
船山徹著
四六判・並製・264頁
税込1,980円(本体1,800円+税)
ISBN978-4-653-04476-5【2023年4月刊】
現実社会に続く戦争とそこから生じる報復の連鎖にどう対処すべきか、いまこそ我々は古典の教えを新たに学ぶべきである――いまなお読み継がれる大乗仏教徒の生活規則『梵網経』。平易な現代語訳に基づき、その教えと特徴を解説する。混迷する現代の課題に本経の教えはどう応えるのか。『梵網経』下巻原文・全訳付。
<目次>
はじめに
第一章 今も読み継がれる『梵網経』
第一節 菩薩とは何か
一、初期仏教・部派仏教・大乗仏教――仏教の大まかな三分類
二、大乗とは何かを体現する「菩薩」
三、菩薩が最初に行うべき二つの事柄――誓願と菩薩戒
四、「戒」という言葉の意味――漢字とサンスクリット語の違い
五、『梵網経』の説く菩薩戒の特徴
第二節 十重四十八軽戒とは何か
一、菩薩戒を説く諸経典
二、『梵網経』の十重戒(重罪十条)
三、『梵網経』の四十八軽戒(軽罪四十八条)
四、軽罪の軽重と贖罪法に含まれる問題
第三節 「孝」と「仏子」
一、戒は孝なり
二、「戒は孝なり」の再検討
三、「戒」と「孝」の繫がり
四、本経注釈より
五、「仏子」の意味と意義
コラム1 遂に漢訳されずに終わった『梵網経』大本にまつわる伝説 第二章 『梵網経』下巻最古の原文と現代語訳
コラム2 中国の北魏が国家的に強行した廃仏毀釈を批判する『梵網経』 第三章 社会を共に生きる 第一節 社会の皆を思い遣る
一、社会性の尊重
二、酒の是非
三、酒の販売の社会的悪
四、社会性の更なる可能性
五、世俗を越える社会性
第二節 生きものに優劣なし
一、生きものは平等である
二、受戒資格者
三、「七逆罪」――受戒を許さない唯一の条件
四、輪廻転生の説に基づく社会的平等観
五、平等と序列
六、政治と闘争に関わるな
七、国家の廃仏毀釈と対処法
第三節 報復は虚しいばかり
一、報復は無益なり
二、報復が虚しい理由
三、ハンムラビ法典「目には目を」の是非――儒教・道教・キリスト教
四、マハトマ・ガンディーの「非暴力」
第四章 菩薩の食生活
第一節 酒を広めるな
第二節 食肉しない理由
一、食肉禁止
二、食肉禁止の意外な理由
第三節 五辛を避けよ
一、食生活の二つの大きな特徴
二、「辛」は唐辛子に非ず
三、本経注釈者の諸説
四、「五辛」と「葷辛」
五、「五辛」を避ける理由(一)本当の理由
六、「五辛」を避ける理由(二)偽りの後付け理由
七、「阿魏」について
コラム3 今も進化し続ける興渠
おわりに――『梵網経』の底に流れる教え―― 参考書 / 索引
●著者
船山 徹(ふなやま とおる) 京都大学人文科学研究所教授。専門は仏教学。
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