平安期日記文学総説
一人称の成立と展開
日記で読む日本史9
古橋信孝著
四六判・上製・紙カバー装・帯付・240頁
税込3,300円(本体3,000円+税)
ISBN978-4-653-04349-2【2018年4月刊】
一人称、ひらがな体、日記の時間――古代文学を中心に日本の古典作品を渉猟し、豊かな学識・横断的な視点から古典の魅力を長年紹介してきた不世出の研究者が、『土佐日記』成立以降、平安期の代表的な作品について解説。日記文学が発明し、発展させてきた知性・感性の歴史をひもとく!
<目次>
はじめに
序 章 日記の時間とひらがな体
日記の時間/一人称の成立/ひらがな体の成立/古典の読みの方法
第一章 日記文学の成立──土佐日記
日記文学の成立/万葉集から土佐日記へ/土佐日記の作者と書き手 土佐日記の時間
第二章 結婚生活を書く──蜻蛉日記
日記と物語/蜻蛉日記の時間/兼家の娘/寺社参詣と心の解放
第三章 自分を見る──紫式部日記
蜻蛉日記から紫式部日記へ/中宮出産の日記/随想 日記文学としての紫式部日記
第四章 宮廷の恋愛生活──和泉式部日記
日記と物語/和泉式部日記が書いたこと/平安貴族の恋愛文化
第五章 人生を書く──更級日記
紀行と日記/更級日記の時間/更級日記の人生/更級日記の継母
第六章 天皇の死の記録──讃岐典侍日記
堀川天皇の看病/幼帝鳥羽天皇に仕える/漢文私日記と讃岐典侍日記
終 章 平安期の歴史と日記そして日記文学
あとがき
●著者 ※所属は2018年刊行時のものです
古橋信孝(ふるはし のぶよし) 武蔵大学名誉教授。専門は日本古代文学。主著:『物語文学の誕生』(角川、2000年)、『誤読された万葉集』(新潮、2004年)『日本文学の流れ』(岩波、2010年)など。
|